「なあにトボケた顔してんのよお。二人っきりでお話しし�
�り、その他色々出来る所に行こうって言ってるのよ。いい�
��ッサンがカマトトぶらないでよ。」挑発的にボーンの顔を
覗き込み、大胆にもイザベラはボーンの手を取った。瞬間�
�ヒヤリとボーンは身の危険を感じたが、手を引き離したい�
��をぐっと堪える。此処で騒ぎを起こすのは得策でない、い
や面倒だ。「・・・。」ボーンは黙って、イザベラに握ら�
�た手を逆に引いて歩き出した。背後をイザベラが歩くと思�
��と、毒蛇に首っ玉に巻き付かれ、その薄気味悪い舌でチロ
チロと顔を舐められているほどの厭な思いである。．ボー�
�は表情こそ変えないが、内心仰天である。「何の事だ。」�
��の兵士の視線が集まって来るのがボーンには大きな迷惑、
渋い顔の渋味が更に増す。回りにいる兵士達の視線が痛い�
�訳知り顔にニヤニヤ笑う奴がいる。ivf價錢 『野郎上手い事やりやがったな』と嫉妬混じりの視線を向�
�る奴がいる。ヒューヒューと口笛吹く奴までいる。目立た�
��いのが信条のボーンにとっては迷惑千万、仕事上も営業妨
害な事甚だしい。「ねえ、ちょっと、あんまり引っ張んな�
�でよ。」兵士達から見えない所まで来ると、イザベラが言�
��た。パッと手を離し、ボーンが跳び下がって距離を取った
。別に握りたくて、握っていた手ではない。寧ろ離れたく�
�仕様が無かったほどなのだ。「おやおや、手の平反すよう�
��その仕草、ちょっと傷付くわね。」イザベラは相変わらず
笑っている。ボーンの腕前はこの間のやり取りで先刻承知�
�にも拘わらず、この相手を喰った態度は根っからそういう�
��チなのだろうと言う外にないようだ。ボーンはしかし無言
でイザベラを見ていた。相手が自分を殺す為にこんな手の�
�んだ密会方法を取ったとは到底思えない。しかし、相手は�
��と言ってもイザベラなのだ。どんな企みを胸に秘めている
やら知れたものではない。命有っての物ダネ、警戒して警�
�し過ぎはないのだ。「あんた、ハンベエの友達だって言っ�
��ね。本当かい？」「ああ、そうだ。」「でも、あんたはゴ
ルゾーラ側に属している。敵じゃないのかい。」「・・・�
�」「おや、何か喉に詰まったのかい。返事が無いようだけ�
��。」「そんな事は関係ない。俺とハンベエとロキは仲良し
三人組なのさ。今のところな。」「ふーん、ロキの事も知�
�てるの。」「言っとくが、俺とハンベエとロキの三人はお�
��なんかより古い付き合いだぜ。」そうボーンは言った。確
かにその言葉に嘘は無い。しかし、古いと言っても仔細を�
�ればほんの少し古い知り合いに過ぎないのだが。． しか�
��、奇妙なものである。ハンベエに関わりあって来たイザベ
ラが、つい先日邂逅するまでボーンの存在を知らなかった�
�である。それだけ、ボーンの身の処し方が巧みであったの�
��ろう。「そういうお前はハンベエの何なんだ。」と今度は
ボーンが尋ねた。無論、ボーンはイザベラがハンベエやエ�
�ナの陣営に所属し、影に日なたに（専ら影の部分で）力を�
��しているのは知っている。聞いたのはそういう事ではない
。「アタシ？ アタシはハンベエといい仲。」（いい仲だ�
�。・・・確かにイザベラは見てくれはいい女だし、ハンベ�
��だって一応男だ。しかし、あいつにそんな手の早いところ
が、・・・手の早いのは斬り合いばかりじゃなかったのか�
�男女の事は分からぬものだ。）とボーンは怪訝に思った。�
��の一方でこんな危険な女と懇ろになれるのは、やはりハン
ベエのような物騒の上に剣呑の皮を被って歩いているよう�
�男ぐらいかも知れぬと思いもする。危険極まりないない相�
��を目の前に妙な所が気になるとは、ボーンに限らず人間こ
そ分からぬものだ。「でもまだ、一つに成れたわけじゃ無�
�んだけどね。」何だ、お前がハンベエに岡惚れしてるだけ�
��。」と得心がいったようにボーンが漏らした。瞬間、イザ
ベラの表情が僅かに険しいものになり、殺気が迸（ほとば�
�）った。二人を取り巻く空気が急激に緊迫の度合いを上げ�
��。ボーン、迂闊な一言だったと反省。
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